ワイルドカード活用、他の人が作ったExcel表も自在に検索・置換・抽出

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2020年調査の国勢調査速報、ご覧になりましたか?

国勢調査は、税金で運営されているため、調査結果を誰でも無料でWebからダウンロードして、自由に活用できる宝の山だ!というご説明を、以前の記事でしました。この記事を執筆中の2021年9月時点では、公開されている調査は【速報版】のみですが、予定では2021年11月中には全調査結果が公開される見込みですので、アフターコロナのビジネス・プランを練る基礎資料として、ご活用されることをオススメします。

とはいえ、WebからダウンロードしたExcel表は、自分仕様になっていない汚れたデータ(不要なセル結合やフィルタ有り)で、使いにくいですよね。いきなり表を整形したりcsvにして、自社データベースに取り込んでみても良いですが、まずはワイルドカードを活用した検索、置換・フィルタリングで、自分に必要な地域の情報だけを効率的に調べてみましょう。

Excelのワイルドカード機能とは?

ワイルドカード(Wild Card)は、トランプの自由札のように、数値・文字列を決めず、あいまい検索をするために使うExcelの便利機能です。

*(アスタリスク)、?(クエスチョンマーク)、~(チルダ)の3種類がありますが、もっとも利用頻度の高いのが*(アスタリスク)でしょう。

これは、膨大な商品 or 顧客名データベースなどのようなExcel表から、部分一致検索をかける時に使用する機能です。たとえれば、職場のおじさんが「え〜っと、ほら、彼。何という名前だっけ? ほら、さ。*川くん、とか言ったよね」と聞いてきた時、その記憶力の低下に嫌味なく、さらりと「はい、緑川さんのことですね」と切り返す優秀な秘書のような機能です。

実際に、*(アスタリスク)を用いて、国勢調査速報Excelシートから、いくつかの気になる地域を検索してみましょう。

ワイルドカード活用、他の人が作ったExcel表も自在に検索・置換・抽出

世界遺産「富士山」の富士を冠した行政区は、国内に8市町村もあります。この8市町村だけを検索するには、検索窓に「*富士*」と入力すれば良いのです。

ちなみに、富士*とすると「富士」から始まる文字列のみ、*富士とすると「富士」で終わる文字列のみ、*富士*で「富士」を中間に含む文字列のみを検索します。あれ?ではなぜ、*富士*で「富士市」が抽出されるの? それは、国勢調査のExcelシート地名欄に、必ずおまけ情報(行政区コード 22210_富士市)がついてくるからです。

ワイルドカード活用、他の人が作ったExcel表も自在に検索・置換・抽出

ちなみに、ワイルドカードの3記号は、ホーム・リボンの「検索と選択」で現れるダイアログボックス内で利用可能ですが、フィルタの条件指定欄に使用することもできるので、あいまい条件でのレコード抽出にぜひご活用ください。

ワイルドカード活用、他の人が作ったExcel表も自在に検索・置換・抽出

*(アスタリスク)は任意の文字列、?(クエスチョンマーク)は任意の一文字

次に、もし統計局の全国地方公共団体コードに関する知識があれば、コードと区市町村名が_(アンダーバー)で括られた文字列となってしまっている表から、該当データだけを検索することができます。東京都の都道府県コードは「13」なので、「13???_」というワイルドカードを検索窓に入れると、東京都内全ての5桁区市町村コードが検索できます。ちなみに、末尾に_(アンダーバー)を加えないと、人口13,000人台の他道府県行政区データも拾ってしまいますので、ご注意ください。

ワイルドカード活用、他の人が作ったExcel表も自在に検索・置換・抽出

世間的な作表の感覚では、各行政区のレコード(人口)を記述したあと、末尾に小計(もしくは中間計)を挿入するのが普通です。しかし、上図をご覧いただくとわかるように、国勢調査のExcel表では、東京都合計レコードが、都下各行政区の明細と並列に並べられています。これに気づかずに、一斉に合計(Sum up)してしまうと、実勢数値の倍以上にも膨らんだ誤データとして、集計されてしまいます。これも、Webからダウンロードしたデータをそのまま使うことができない大きな理由の1つです。

なお、ワイルドカードの3つめ、~(チルダ)は、本来あいまい検索のためのワイルドカードであるべき*(アスタリスク)と?(クエスチョンマーク)自体を含んだ文字列を検索対象とする時に
「アスタリスクとクエスチョンマーク自体を探すんですよ」という指示を出すための記述方法です。~*、もしくは~?という記述を検索窓に入れることで、検索対象から*や?を含んだ文字列を抽出します。

まとめ:使いづらいダウンロード資料も、ワイルドカード検索で、あっという間に自分仕様に!

これまで見たように、無料で使えるマーケティング・データ「国勢調査」は、単なる「宝の山」というよりは、どちらかというと「(磨けば光る)原石」とたとえた方がよい資料かもしれません。自分仕様に整形しなおさないと、そのままではとても使いにくいExcelブックです。

しかし、ワイルドカードを駆使して、必要な部分のみの検索・置換・抽出をすれば、簡単に説得力の上がる裏付けデータが得られます。あなたのプレゼン資料が、とっておきのワイルドカード(鬼札)に変わるかもしれない!?可能性を秘めた無料公開の統計資料、ぜひじっくりと読み込んでみてください。単に日本の人口減を嘆くばかりでなく、新しいビジネス・チャンスの糸口が見つかるかもしれませんよ。









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